ヨーロピアン調のインテリアが映える家O様邸

優雅さに満ちた1階と、すっきりした和モダンの2階。
吟味を重ねて選んだ新たなものと、大切に引き継ぐ歴史あるもの。
それぞれの個性が溶け合う、三世代が暮らす住まいです。

好みのインテリアから始まる空間づくり

お母様 娘夫婦と一緒に暮らすため、かつての義父母の住まいを建て替えて三世代が暮らす家をつくることにしました。もともとは水琴窟のある和風庭園を構えた日本家屋でしたが、洋風の庭と住宅を目指そうと考えました。

奥様 はじめはリノベーションを想定していましたが、天井が低くなったり窓が小さくなったりする可能性もあると聞き、建て替えることにしたんです。
阿部建設には友人が勤めていましたし、バリアフリー設計にも強いので問い合わせたのがきっかけです。

お母様 バリアフリーを意識したのは、将来を見越して、フラットな床を取り入れるなどの配慮をすると生活しやすいと思ったからです。
結局、リノベーションではなく建て替えることにしましたが、そのままの流れで阿部建設と打ち合わせを続け、他社はまったく検討しませんでしたね。

お母様 新しい住まいのテーマは特に決めていなかったものの、好みのヨーロッパ調の家具が活きる空間を希望していました。インテリアの方向性としては、チッペンテール様式(※)の少し現代風に寄った感じです。ただ、日本のメーカーはあまり造らなくなっていて、好きな家具を探し求めるうちアンティークになっていったんです。

奥様 イメージする家具は、名古屋、東京、大阪、福岡、横浜と各地のアンティークショップを巡って探しました。ダイニングのキュリオケースは名古屋、玄関のイスは福岡、ダイニングテーブルは最後の横浜で出合いました。母の部屋のイスは母がとても気に入って、間取りが決定するかどうかという早いタイミングで購入したものです。家具は“縁”だと思うので、一つひとつ丁寧に選んでいき、2年近くかけて好きなものを集めていきました。

お母様 それに、カーテンもインテリアのメインとなる要素です。一般的には壁紙を先に決めてからカーテン、という順序だと思いますが、まずはカーテンを選びました。
洗面室のタイルも、様々な種類を見た結果、娘共々気に入ったものです。このタイルを活かしたいねって、それに合う洗面室やイスなどを考えていきました。

何度も検討を重ね、吟味し、理想を実現

奥様 家づくりではキッチンを明るく広くしたいという希望もありました。夫が料理好きなので、2人とか3人で動けるくらいのゆとりがあればいいなって。キッチン選びの際は、名古屋にあるショールームすべてを見学し、それぞれ3回ずつは足を運び検討しています。使いやすさはピカイチというメーカーはあったものの、理想的な仕様や質感を求めてオーダーという選択をしました。

お母様 設計の過程で悩んだのは階段の位置でした。娘はリビング階段を希望していましたが、間取りの関係で難しいことがわかったのです。円を描くようなヨーロッパ風の回り階段も考えましたが、最終的にL字階段に落ち着きましたね。

奥様 格子の窓も課題になりました。キッチンや居室に格子窓を取り入れたかったのですが、どれも和の雰囲気のタイプばかりで、思うものがなくて…。ただどうしても格子を取り入れたかったので、輸入住宅が採用しているものを調べてみたんです。見つけたメーカーがたまたま名古屋に工場があることが分かり、商品を見せてもらい、お願いしてそちらを使うことができました。

思い出とともに受け継ぐ歴史あるもの

奥様 1階はヨーロピアン調のインテリアで好みを追求したのに対し、2階は趣を変え、ホテルライクな和モダンな雰囲気に。なるべくものは置かず、すっきりとした空間にしました。そこで役立っているのが、阿部建設からの提案で設けた造作のソファやベッドです。サイズがぴったりなので空間に無駄がありません。それでいて、ゆとりある大きさだからくつろげます。

お母様 リビングの壁面収納も、阿部建設から提案で設置したものです。当初は自分たちで家具を探していたのですが、この場所にはモダンな造作の方が合うはず、とアドバイスを受けて取り入れました。結果的に造作にして良かったと感じています。

奥様 新しいものだけでなく、祖父母の家から受け継いだものも大切に使っています。1階のワークスペースには、もともとテレビのカウンター台に使っていた引き出しを、今のスペースの寸法に合わせて造作して残しています。シューズクロークの取っ手も、祖父母の家にあったものをそのまま使っていますし、玄関ホールに置いているスタンドライトも昔から愛用されてきたものなんです。それに、母が以前使っていた和箪笥は、取っ手を今の家のテレビ台に施しています。

お気に入りの空間でゆったりと豊かな時間を楽しみたい

お母様 実際に暮らしてみて気に入っているところは玄関ホールです。悩みに悩んだポイントで、当初は柱を囲う壁をつくる予定だったのですが、考え直して壁をなくしてくれるようにお願いしました。壁があるとやはり暗さや狭さを感じますから。無理をいいましたが、うまくデザインしていただき感謝しています。こうして生まれた明るく広がりのある玄関ホールの吹き抜けは、シャンデリアや義母のスタンドライトが美しく映える空間になっています。
もう一つ、私の部屋も気に入っています。床に描かれた半円形のアーチや、外に張り出した窓のアーチがきれいなんですよ。曲線の角度や窓を分割する割合について検討を重ね、心地よく過ごせる場所が生まれました。

奥様 私はキッチンですね。庭やリビングを見渡せるカウンターキッチンにして良かったと思っています。 また、母は最初から庭で食事やお茶ができるテラスを希望していて、そのタイルデッキをふたりでデザインしました。理想通りのタイルデッキを実現するのが難しそうだったので、母と一緒にデザイン画に落とし込み、カタログで何十時間もかけて探したタイルを注文。それを使い造ってもらったパリの中庭をイメージしたテラスで、今、夜や涼しい時期にお茶を楽しんでいます。

ご主人 私は風呂好きなので、寝室の近くに設けたシャワールームを気に入っています。朝も夜も気兼ねなく使えますし。
ほかはキッチンですね。調理道具を置く場所が広く、背面のカウンターにはちょっとしたスペースがあって下処理などに便利です。機能的で使いやすいですね。

お母様 これまではあわただしくて余裕がなかったのですが、好みの家具にカップを飾るだけでなく、これからは実際に使って、ヨーロッパ調のインテリアに囲まれながらゆったりとお茶したりくつろいだりしたいと思います。
庭ではバラを増やしていきたいですね。花壇を手がけるのは初めてなので試行錯誤しながら花を育てたいです。

ご主人 家庭菜園も楽しめるといいですね。ハーブも育ててみたいと思っています。

奥様 私は広いキッチンで娘とお菓子づくりを楽しみ、ゆっくりと過ごす時間を持ちたいですね。
家づくりを振り返ると改めて阿部建設の「自由設計」の良さを感じます。要望を聞いてもらえる会社なので、これから住まいをつくる場合、強いこだわりもどんどん話し、相談すると良いのではないでしょうか。

お母様 ヒアリングを通してこちらの気持ちを引き出してもらったように思います。話し合う中で、自分たちはこうしたいんだ、こういうものが好きなんだ、と認識していきました。思いをすくいとってくれるので、まずは話してみると良いと思います。

※チッペンテール様式: 18世紀のイギリスの家具様式。家具デザイナー、トーマス・チッペンデールが生み出したことに由来します。マホガニー材を多用し、ロココ様式、ゴシック様式、シノワズリなどを調和させた意匠が特徴。曲線美や贅沢な彫刻などが施され、クラシック家具の中でも特に優雅とされます。