
ご主人 実家に戻って両親と暮らすことになり、家づくりを始めました。もともと曽祖父がこだわってつくった庭と建物があり、特に庭は子どもの頃好きでよく遊んだ場所で、祖父との思い出もあります。明治期からあった建物を建て替え、この庭の景色を満喫できる新しい家をつくろうと考えました。イメージしたのは庭に合う和風建築の住まいです。
建て替えに当たっての父の希望は、長く続いている会社でありながら、今の暮らしに合った和風住宅をつくれるところがいいということでした。僕は工務店や知り合いの建築デザイナーなどに話を聞きに行った中、たまたま勤務先に阿部建設で家を建てた同僚がいて、新築祝いにおじゃましたことがあったんです。そのお宅でリビングの漆喰の壁や羽目板を目にしていて、阿部建設についても「なんでも話を聞いてくれるよ」と伺っていました。後日、阿部建設の本社やモデルハウスに足を運んだら、和を感じながらもスタイリッシュなテイストが気に入り、担当の中村さんともフィーリングが合い、同僚から聞いていた通り要望を叶えてくれそうだと感じたんです。それで阿部建設に依頼しました。もちろん父も家族も賛成でした。
初めに要望したのは、庭の景色を楽しめるリビング、子どもたちのスタディーコーナー、スムーズな生活動線です。もう一つ、父には「和室を変えたくない」という思いがあり、畳の続き間、縁側、仏間のレイアウトや造りは以前の家のままを踏襲してもらいました。
レイアウトを引き継いだだけでなく、以前の建物の木材も活用しています。できるだけ木材を再利用してほしいという希望はしましたが、実際に和室の天井など随所にうまく活かしてくれたなと感じています。キッチンのパントリーや納戸の扉にも、古い木を磨いてきれいにした上で新しい空間に合うように使ってくれました。

ご主人 希望だったリビングは、勾配天井を提案いただき、予想以上に良い雰囲気になりました。天井の先も、室内と屋外の軒裏を同じ仕上げにしてくれたので、内外の一体感や、大開口からの抜け感があっていいですね。
生活動線については、リビングの扉の向こうに、ランドリールーム、洗面室、トイレ、脱衣所、浴室が一直線でつながり、水回りの使い勝手が抜群です。設備面では新築を機に導入したガス衣類乾燥機が秀逸で、洗濯の負担がなさすぎると思うくらい助かっています。ランドリーで室内干しも可能ですが、衣類乾燥機を使えば干さなくてもいいし、仕上がりもふんわりして最高です。
スタディーコーナーは、子どもたちの様子が分かりやすいキッチンの近くに配置し、きょうだい並んで勉強ができるようにコンセントや照明を設置しました。さらに、スタディーコーナーの奥には妻のワークスペースを設けました。
奥様 家事室としても使えますし、散らかりがちな書類や趣味の手芸用品を置いておけて便利です。スタディーコーナーとの間の壁には小窓があるので、子どもたちが勉強している様子も分かり、空間の抜け感もあっていいですよ。
キッチンは、広がりを感じるようにオープンな雰囲気にしつつ、「隠す」収納にも気を配りました。食器は引き出し、鍋など調理道具はパントリーにも収納しています。私の身長を考慮して、上部には棚を造らないなど使い勝手にもこだわりました。一方で、「見せる」も重視し、飾り棚を設け、窓&タイルで可愛さを演出しています。
ご主人 このほか、1階のトイレもこだわりポイントです。ほかの空間とイメージを変えたくて、壁の色はダークな黄緑を選択。床と天井の色は黒にしました。テーマは茶室です。“和”に寄せ過ぎた気もしますが、僕のお気に入りの場所になっています。
もちろん、初めから希望していたリビングも好きで、大開口だから開放感もあって心地よく、リビングでくつろぐ時間が圧倒的に長くなりました。子どもたちものびのびと過ごしていて、以前の家では限られたスペースの中、きょうだいでぶつかり合うこともあったのですが、今は仲良く遊んでいますね。心にもゆとりが生まれたように感じています。
奥様 私はやはりキッチンが気に入っています。白とベージュをベースにしたナチュラルな淡い色がなんともいえず好きですね。こだわって選んだタイルも可愛くて…。サンプルのサイズは小さいため、実際に貼ってみないと分からないと思っていたのですが、想像以上に可愛らしい雰囲気に仕上がっています。床のベージュのヘリンボーン柄も好きで、毎日ここにいるのが楽しいですね。
ご主人 また、以前との建物と大きく違うと感じるのは、冬の圧倒的な温かさです。明治期の家だったのでやはり寒さが厳しくて。高い断熱性能と「パッシブ冷暖」のおかげで、暮らしやすさが断然違います。これは大きな変化でした。

奥様 今後は、お気に入りのキッチンで子どもたちも一緒に料理できるといいなと思っています。以前の家では「やりたい」と言ってくれても、狭いからギューギュー詰めで動きづらかったのですが、今は3人並んでもスムーズに作業できる広さ。お手伝いも増えるとうれしいですね。また、主人がピアノを弾くと周りにみんな集まってくるんです。こうした一緒に音楽を楽しむ機会も増えれば…。今もこれからも家族との時間を大切にしていきたいと考えています。
ご主人 そして老後は、庭を眺めながらお茶を飲めたらいいな、と(笑)。子どもも、将来はもしかしたら孫も、庭やリビングを気に入ってくれるとうれしいですね。僕が昔からこの家を好きで、庭にまつわる家族との思い出を大切にしているように、世代を超えて愛着が湧く住まいであればと思います。
ご主人 これから家づくりを始める方は、大前提としてまず敷地が防火地域や準防火地域に該当するかどうかを調べておくとよいと思います。法律上、防火構造にして、窓にはワイヤーの入った網入りガラスを使うなどのルールがあるためです。景観を優先したい場合、この防火窓は結構悩ましい問題なので、初めに確認しておくとよいのではないでしょうか。
